バカンスシーズンのパリは旅行者で溢れているため、郊外の川に釣りに出かけた。そしたら突如、小麦畑のど真ん中に観覧車が現れ、娘がサイレンと化したため、もはや入園するほかなかった。

 

一人13EURで全遊具を乗り放題とは、シンプルかつ絶妙な値段設定に感心させられる遊園地である。それほど混雑もしておらず、この時期の穴場かもしれない。娘が運転する車に乗せてもらうなど、人生を早送りしたような体験を味わった。

 

しかし中でも最も自分を惹きつけたのは、人生初のフリーフォールだった。なぜだかわからない…しかしくりかえし何度も何度も落下した。

 

子供の頃、あんなにも恐れていた無重力状態が、こんなにもクセになるものだとは思わなかった。しかしよくよく考えてみれば、乳児期に刻み込まれた記憶(高い高いからのフリーフォール)を呼び覚まされたような、本能にも似た既視感を否定できない…。

 

好きなものは落下です、と自己紹介および履歴書を修正する必要があるのかもしれない。

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